- インフルエンザの時期がやってきました。
皆様、インフルエンザワクチンの接種はお済ませでしょうか。
インフルエンザのワクチンに、インフルエンザの感染予防だけでなくその他のメリットがあるということご存知でしたか?
2型糖尿病患者がインフルエンザワクチンをすることで、年齢や血糖コントロール、糖尿病以外の慢性疾患の合併など関係なく、全死亡と急性心筋梗塞、脳梗塞、肺炎またがインフルエンザ、心不全による入院が減るそうですよ。
2型糖尿病の方は年齢に関係なく、是非インフルエンザのワクチンを接種してくださいね。
<ここから難しい話になるので、興味のある方のみお読みください>
Effective of the influenza vaccine in preventing admission to hospital and death in people with type 2 diabetes (CMAJ, October4, 2016, 188(14):E342).
・イギリスの臨床施設300か所からなるデータベースから、2003年~2009年の計7年間の18歳以上の2型糖尿病患者のデータを抽出。
・年度毎に、9月時点において定期通院している2型糖尿病の患者を登録して、年齢、性別、喫煙歴、BMI、HbA1c、コレステロール、収縮期/拡張期血圧、併存する慢性疾患(心不全、心筋梗塞、脳梗塞、慢性閉塞性肺疾患、喘息、癌、心房細動、慢性腎臓病)、治療内容(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、抗血小板薬など)、過去12か月の受診回数、インフルエンザの接種有無と日付、年度内の入院歴を抽出。
・エンドポイントは全死亡または入院(急性心筋梗塞、脳梗塞、肺炎またがインフルエンザ、心不全による)
結果
・毎年、約67,000~107,000人が登録され、7年間で623,591人年となった。
・イギリスでは慢性疾患のある方に無償でインフルエンザワクチン接種が提供されているため、65歳未満の登録者が毎年度約48.9%を占めていた。
・約63%の人がインフルエンザワクチンを接種
・インフルエンザのワクチンを受けている方は、受けていない人に比べて、高齢で、HbA1cが良く(7.5±1.41 vs 7.9±1.80)、併存疾患も多く、内服している薬も多かった。
・そのため、年齢や性別、併存疾患、糖尿病罹病期間、BMI、喫煙、収縮期/拡張期血圧、HbA1c、コレステロール、治療内容(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、抗血小板薬など)、肺炎球菌ワクチンの接種の有無。前年度のインフルエンザ接種の有無内服薬などで補正
↓
インフルエンザ流行期間での
急性心筋梗塞による入院を19%抑制
脳梗塞による入院を30%抑制
心不全による入院を22%抑制
肺炎やインフルエンザによる入院を15%抑制
全死亡を24%抑制
過去の研究では、高齢者を対象にしていたり、通年での効果をみているもの、単年~数年と比較的観察期間が短く信頼性が低かった。今回の論文は、7年間のデータを用いていることでウイルスとワクチンの合う・合わない年まで含まれるため、より信頼性が高いと考える。
午前 |
初診 12:00まで 再診 12:15まで |
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午後 (土は午前のみ) |
初診 17:00まで 再診 17:30まで |